巨人が惨敗で4位に転落した。先発吉川光夫投手(29)が4回に制球難に陥り、投手小笠原への押し出し四球を含む3連続四球で自滅KO。2番手の田原誠次投手(28)も2者連続本塁打を喫すなど、今季ワーストの1イニング8失点で大勢が決まってしまった。守備、走塁にもミスが散見し、打線も元気なく村田修一内野手(36)の11号2ランによる2得点にとどまった。夏場から安定感のある戦いでAクラスまで浮上したが、勝負どころで約1カ月ぶりの連敗。CS進出へ、底力が試される。

 CS争いが佳境を迎える中、無残な内容だった。スコアボードに2-10と空虚な数字が刻まれた。4回の8失点も今季1イニングのワースト。5位中日にまさかの連敗で、11年連続CS進出への黄信号がともる4位に1週間ぶりに転落した。

 4回、投手と野手の協力関係が崩れた。無死一塁、フルカウントから吉川光の外角直球はギリギリでボールの判定。四球だったが際どかったため、スタートを切った一塁走者に対し、捕手小林も強肩を回した。だがワンバウンド送球となり、遊撃手の坂本勇も止められず一、三塁にピンチが拡大した。村田真ヘッドコーチは「誠司(小林)は投げる瞬間に(際どい判定で)エッて思ったろうけど、ノーバウンドで投げないと。勇人(坂本)も止めないと」と指摘した。

 嫌な流れは吉川光にまとわりついた。高橋に適時二塁打を浴びた後、ストライクが入らなくなる。8番武山に四球。9番の投手小笠原にも明らかなボール球を連発して押し出し四球を与えた。京田にもストレートで2者連続押し出し。勝負にならなかった。前回登板で初勝利を挙げ、4本柱に続く期待を果たせなかった左腕は「実力不足です。守備の乱れ? 関係ない。ストライクゾーンで勝負できなかった」と猛省した。

 攻撃も停滞した。3回に先制点を献上した後の4回2死一、三塁の反撃機を生かせない。8点を追う7回1死一塁で左中間への快打に一塁走者の宇佐見が三塁を狙うも憤死。大勢は決していたとはいえ、リスクを背負った挑戦よりも走者の蓄積が求められる場面だった。

 試合後のミーティングを終えた高橋監督は敗因を全体として捉えた。「8、9番への四球は、どうこう言いようがない。野手もリズム狂う? どっちもどっちだと思う。リズムをつくることも必要だし、悪い中でも守ってやることが必要」。8月12、13日以来の連敗。終盤での黒星を、これ以上、積み重ねることはできない。【広重竜太郎】