早実(西東京)清宮幸太郎内野手(3年)が22日、東京・国分寺市の同校で会見を開き、プロ志望届を提出することを表明した。

 プロ入りを決断した清宮に、日本ハムは誠心誠意を尽くす。早くからドラフト1位の最上位候補としてリストアップしてきた。栗山監督はこの日「野球好きな人間として、彼の道は正しいと思います」とプロ入り表明を喜び、将来的にはメジャーで活躍することを目指す清宮の“野望”を「志がはっきりとしている。本当に頑張れば、手の届く目標。絶対に無理とかない。志がなければ(我々は)動かないから」。入団の暁には最大限のサポートをすることを約束した。

 今オフにポスティング制度を利用して海を渡る、大谷もそうだった。花巻東から直接メジャー入りを表明していた12年ドラフトだが、日本ハムは強行指名。入団交渉の席で、「大谷翔平君 夢への道しるべ」と題した資料を用意し、日本のプロ野球を経由したほうが、メジャーで活躍できる近道になることを訴えた。投打二刀流にも取り組み、今季5年目を終える大谷は、大きく成長し、まもなく羽ばたこうとしている。

 大谷だけではない。清宮と同じく、高卒でプロ入りしたスラッガー中田は、いまや侍ジャパンでも主軸を打つ主砲に成長。絶対的エースだったダルビッシュも、本人の意思を尊重して7年目のオフにポスティング制度でメジャー挑戦を後押しした。育成には確固たる実績がある。

 栗山監督は昨年11月の秋季都大会決勝を実際にスタンドで観戦している。「あの空気感ある、強烈な感じを見たのは初めて。三振が絵になる、久しぶりの選手だよね」。日本ハムに脈々と受け継がれるスターの系譜。来春のキャンプも3年連続で米アリゾナで行う見込み。「縁」があれば、清宮は最高の環境でプロ野球人生をスタートさせることになる。

 ◆夢への道しるべ 日本ハムは12年、メジャー志望だった大谷(花巻東)をドラフト1位で強行指名。指名後の11月10日、球団は大谷の両親との入団交渉で「大谷翔平君 夢への道しるべ~日本スポーツにおける若年期海外進出の考察~」と独自にまとめた30ページの資料を用いプレゼンを行った。サッカーなど他競技も含めて大谷と同じ10代のアスリートの成功、失敗例を分析。技術が未成熟での挑戦は危険など具体的理由も示し、メジャー挑戦には日本球界経由が得策と促す事例を挙げた。大谷も「自分の知らないことがあった」と球団側の将来性を加味した方針に翻意し、12月9日に入団を発表した。