甲子園でDeNA今永を打てない…。なんともイヤ~な0行進を虎打線が喫した。CSでもぶつかる可能性がある左腕に7回途中まで封じ込まれた。これで今永の甲子園での防御率は0・48。また、この日の敗戦でチームは甲子園で引き分けを挟んで4連敗。今日25日こそ、スカッと勝って、CS進出への勝利をつかみ、2位王手といきたいところだ。

 観衆は4万3292人。もちろん、その大半は虎党だ。甲子園を埋め尽くしたファンが大声をからしているのに、猛虎が聖地で沈黙を続けている。この日は左腕今永に6回まで三塁ベースを踏むことすらできず、今季12度目の完封負け。「やっぱりみんな(今永に)差し込まれている。キレのいいボールに差し込まれる。そこら辺ですよね」。金本監督は試合後、静かなトーンで嘆いた。

 コンパクトな腕の振りから放たれる140キロ台中盤の直球。これがどうしても厄介だった。要所でキレ味を出され、真っすぐを意識すればチェンジアップなど変化球で狂わされた。ようやく2点を追う7回、2四死球と単打で2死満塁まで追い込み降板させたが、6回2/3で3安打無得点に抑え込まれる形となった。

 甲子園の対今永に限定すれば、これで16回2/3連続で無得点。計18回2/3で1点しか奪えておらず、防御率0・48と完全に封じ込められている。阪神が2位を死守してCSファーストステージに進めば、DeNAが3位進出となれば再び今永と聖地で対決する可能性は十分ある。早急な対策が必要なのは言うまでもない。チームは甲子園で引き分けを挟めば、今季ワーストタイの4連敗。20イニング連続無得点と苦しむ。最大の好機だった7回2死満塁では、代打伊藤隼が2番手三上相手に6球ファウルで粘るも、フルカウントから11球目の高めスライダーで遊飛に打ち取られた。

 指揮官は「よく粘ったといえば、粘った」と評価した上で「最後はボール球ですよね。あそこの見極めがあと1歩。これからそういう経験して、見逃せるように技術を上げていってほしい」と注文も忘れなかった。いま1度、個々が細部を突き詰める必要がある。

 今日25日も3位DeNAと甲子園で戦う。4・5ゲーム差に迫られ、もう、これ以上ゼロ行進を続けるわけにはいかない。「甲子園でしばらく勝てていないというか、打てていない。なんとか明日は地元の甲子園で勝てるように。打たないと勝てませんから」。金本監督の号令を、現実のモノとしたい。【佐井陽介】

 ▼阪神のCS進出決定は最短で今日25日。阪神○なら巨人△または●、阪神△でも巨人●なら決まる。また2位確定は最短27日。3位DeNAとの直接対決に連勝すれば決まる。