このままじゃ、CSでもやられるぞ! 阪神はDeNAとのCS前哨戦で2夜連続無得点に封じられ、甲子園17年ぶりの3試合連続完封負けを喫した。金本知憲監督(49)は「気持ちが伝わってこない」と覇気なき打線におかんむり。金本阪神初のCS進出決定はお預けで、3位DeNAに3・5差まで迫られ、2位確保も少し危なくなってきた。明日27日から舞台を横浜に移して3連戦。ファーストステージを勝ち抜いて広島と戦うためにも、立て直しが急務だ。

 金本監督は目線を上げることなく、会見場の床をジッと見つめながら切り出した。今季13度目の完封負けを喫した直後。静かに発する言葉の端々から、表現しきれぬ怒りがにじみ出た。

 金本監督 ちょっと振りが鈍いところもあるし、ちょっと気持ちも伝わってこないものもある。ちょっと淡泊になっているというか。あるんじゃないですかね、そういうところも。

 打線はこの日も、右腕ウィーランドの前に沈黙した。1回1死一、二塁、2回1死二塁の好機を逃すと、スコアボードにゼロが並び続ける。3点ビハインドを背負った6回2死一、二塁でも5番ロジャースが中飛に倒れると、8回と9回はともに3者凡退だ。反発力を見せられず、三塁ベースすら踏めないまま散発5安打の完封負けでは悲しい。

 指揮官はウィーランドについて「今日は別にいいとは思わなかったけどな」とぶぜん。疲れが出る時期かと問われても、「日程的に疲れているとか、そういうあれじゃない」と納得しなかった。自分たちの問題だと言い訳は一切せず、常に甲子園を埋め尽くしてくれる虎党たちにわびた。

 金本監督 やっぱり甲子園で勝たないと。甲子園で3試合連続完封でしょ? 地元のファンに本当に申し訳ない。

 これで引き分けを挟み、甲子園で今季ワーストの5連敗。29イニング連続無得点となった。聖地での3試合連続完封負けは、00年5月2~4日の横浜3連戦以来、実に17年ぶりの屈辱だ。

 CS進出を確定させるどころか、3位DeNAに2連敗して3・5ゲーム差まで迫られた。2位でCSファーストステージに進出しても、このままではDeNAに嫌なイメージを引きずったままになってしまう。

 明日27日からは舞台を横浜に移し、3連戦を戦う。もう甲子園だから、敵地だから、と言っている状況ではなくなってきた。

 金本監督 その時(次の甲子園戦)に立て直すんじゃないよ。その前に、あさってから試合なんだから。

 まずは27日だ。必勝を期し、負の流れを全力でせき止めたい。【佐井陽介】

 ◆00年の甲子園3試合連続完封負け 野村克也監督2年目の、5月2~4日横浜戦。阪神は坪井、新庄、大豊らで中軸打線を形成した。初戦は斎藤隆、2戦目は小宮山にいずれも完封勝利を献上。3戦目は三浦-森中-福盛の継投に抑えられた。

 ◆阪神のCS進出決定は、最短で27日に延びた。今日26日巨人が●なら、27日阪神○または△。26日巨人△でも、27日阪神○なら決定。いずれも27日の巨人の結果とは無関係にCS進出となる。

 ▼阪神は今季8勝13敗2分けと分が悪い巨人と2試合残し、27~29日のDeNA3連戦次第では2位争いが最後までもつれる可能性もある。