打倒広島の夢は幻に消えた。阪神が2戦連続の完敗で終戦の時を迎えた。先発能見が初回に1死しか取れずに、3失点KO。3番手の岩崎も4回に崩れた。打線は苦手のウィーランドを攻略できないまま、1得点で沈黙。金本知憲監督(49)は「時の運もあるし、勝負運とか勝ち運とか。結果がすべてなので。残念で悔しいが…」と敗戦の事実を受け止めるしかなかった。

 初戦を取りながらも、雨の中で強行開催した第2戦で流れが変わった。チームを支えてきたリリーフ陣が炎上し、DeNA打線を目覚めさせた。1度失った流れを取り戻せなかった。「雨を理由にすると、言い訳になる。そうではなく、向こうの打線が調子を上げてきたと感じた」と指揮官は言う。

 悔しさの中で、金本監督はナインの奮闘をたたえた。「先発やスタメンが固定できない中で、2位になれたのは、胸張っていいことだと思う。今日で最後になったが、ほめてやりたいチームだと思う」。昨年は4位から2位に躍進。高山、北條ら期待の若手が伸び悩み、外国人野手も不発に終わった。それでも戦力をやりくりしながら、優勝争いを展開した。球団は「超変革路線」を支持し、金本監督に来季から新たに3年契約を提示する方向だ。チームの底上げを継続し、打倒広島を実現させる。