ヤクルトの1軍ヘッドコーチ(HC)に就任した宮本慎也氏(46=日刊スポーツ評論家)が18日、都内の神宮外苑で行われている秋季練習を初視察した。

 空気がピリッと引き締まった。ジャケット姿の宮本コーチがグラウンドに姿を現す。すると前日まで談笑しながら練習していた選手の私語が消えた。室内練習場で行われたフリー打撃では山田や畠山が黙々とバットを振った。緩んだ空気が変わっていた。練習前に行ったあいさつで「簡単にAクラスや優勝争いができる状況でないと思う。一致団結しないと出来ない。だから練習も厳しくなると思います」と伝えた言葉が緊張感をもたらしていた。

 改善へ、振ることから始める。神宮外苑では広さの面から守備練習が難しく、秋季練習では基礎体力作りを優先的に進める。「スイングを多くしてと三木(前)ヘッドにも言った。秋のオフは基礎体力を上げる作業。阪神や広島の選手は厚みが違う。体を大きく強くする。技術と並行してやらないといけない」と振り込みで力をつけさせたいとした。

 今季不調にあえいだ山田も気を引き締めた。打撃練習前には言葉をかけられ、「今まで以上に肉体的にも精神的にも鍛えられるのは間違いない。弱いチームだから一番のトレーニングをしないといけないと言われた」と復活へ厳しい練習を受け入れる覚悟を示した。低迷からの脱却へ、実りある練習を重ねていく。【島根純】