ソフトバンク内川聖一外野手(35)がパCSファイナルステージのMVPに輝いた。CSでは11年、15年に続き2年ぶり3度目の獲得。初戦からCS同一ステージ新記録となる4試合連続本塁打を放ち、この日も初回に先制の犠飛。5試合すべてで打点(計7打点)を挙げ、2連敗から3連勝でファイナル突破の原動力となった。

 1回だ。1番柳田の内野安打から広げた1死一、三塁の好機。カウント1-0から楽天美馬の低めのシュートをきっちりセンターへ運ぶ先制犠飛。5戦連続アーチとはならなかったが、ゲームの主導権を握る攻撃を4番が決めた。

 左手親指の骨折が癒え、復帰したのが9月30日オリックス戦。シーズン残り4試合に出場したが、4番復帰は最終2試合だけだった。「みんながリーグ優勝してくれて。もう1度、日本一になるチャンスをつくってくれたので、何とか結果で恩返ししたかった」。ファイナル直前からこのフレーズを言い続けてきた。まさに有言実行し、チームを日本シリーズへと導いた。

 CSファイナル5試合で4番に座り、4戦連発を含み18打数7安打7打点。「すごいよね。チームリーダーが打ってくれると乗っていくからね」。王球団会長は殊勲の男を絶賛した。工藤監督の胴上げが終わると、内川もナインの手で5度、宙に舞った。「(CS突破は)1つ段階を上がっただけ。これから日本一に向かって頑張っていきたい」。有終の秋へ。キャプテンにはもう1つ大きな仕事が待っている。【佐竹英治】

 ▼内川が先制犠飛。これが決勝打となった。内川の勝利打点はプレーオフ、CSで通算6度目となり、和田(西武-中日)を抜いて単独最多となった。プレーオフ、CSの5試合連続打点は04年カブレラ(西武)が1S第1戦~第3戦、2S第1戦、第2戦で記録しているが、同一ステージでは初めて。ステージ制がなかった73~82年パ・リーグプレーオフで77年リー(ロッテ)がマークした4試合を超え、日本シリーズ最長の4試合(76年王ら12人)も上回った。