楽天の17年が終わった。22日、ソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦は0-7と完敗。2勝4敗となり、日本一になった13年以来4年ぶりの日本シリーズ進出を逃した。レギュラーシーズン3位から、CSファーストステージで西武を2勝1敗と撃破。ファイナルステージは2連勝後に3連敗と、下克上をソフトバンクに阻止された。

 ベンチでがっくり肩を落とす楽天ナインの前で、ソフトバンク工藤監督が胴上げされた。13年の日本一を知る主将の嶋は「まあ、悔しいですね。目の前で」と寂しそうな表情で言った。梨田監督が「何も抵抗できなかった」と振り返る完封負け。レギュラーシーズン3位からの下克上は、敵地・福岡で終わりを告げた。同時に、長かったシーズンも幕を閉じた。

 初回1死二塁。嶋と同じ13年の日本一戦士、選手会長の銀次が先制機を逃した。カーブをうまく捉えたかに見えたが投ゴロ。「自分のレベルが足りない」と悔やんだ。ソフトバンクが直後の裏の攻撃で3点を先制したのとは対照的で「そうだと思う」と責任も感じていた。第3戦からの3連敗は、いずれも先発投手が2回までに点を許した。打線は2番手以降の投手から1点も奪えなかった。嶋は「序盤に点を取られると、後ろ(中継ぎ)がしっかりしているので苦しくなった」と相手の力に脱帽した。

 前半戦を首位ターンした楽天は8月に失速し、同月23日から9月3日にかけ、1分けを挟んで10連敗。それ以降に浮上のチャンスはあったが、先発投手が好投しても打線が援護できず、時には中継ぎ陣が崩れた。銀次は「ここぞというところで負けたことが多かった。来年はしっかり」と言い、課題と受け止めた。

 ただ、夏場の苦難を乗り越えて4年ぶりにCSに乗り込んだ。「CSの舞台に立てたことは大きい。みんな、勝ってやろうという気持ちになった。それが大きい」と銀次は言った。2年目の茂木が17本塁打を放って飛躍。高卒ドラフト1位右腕の藤平は3勝を挙げ、来季へ期待を膨らませた。優勝を逃した悔しさを胸に秘め、イーグルスは来季さらに羽ばたく。【久野朗】