今オフにメジャー移籍を目指す日本ハム大谷翔平投手(23)が17日、ドラフト1位の早実・清宮幸太郎内野手(18)へ、初めてのエールを送った。右足首のリハビリを行った2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で、前日16日に都内で仮契約を終えた清宮について言及。投打「二刀流」で大注目を集めた自身のプロ入り時も回想しながら、プレッシャーに打ち勝ってプロでもファンを沸かせる活躍を期待した。

 

 大谷が清宮に対する純粋な思いを吐露した。「頑張ってほしいなと思います。期待される選手だと思うので」。前日に仮契約を結んだ後輩は、自身のようにぶれずに目標や信念を貫きたいと表明。一夜明け、先輩として誠実に受け止め、アンサーを返した。

 5歳の年の差があるが、敬意を払う。自らの1年目を振り返ってのアドバイスを問われたが「ないですね」と即答。理由は「彼はやっぱり、ずっと注目されてここまで来たと思う。それは僕とは、全く違うのではないかなと思います」。早実入学時から全国の注目を浴びる中で高校通算111本塁打を放ったのが清宮。大谷も花巻東時代は注目選手だったが、3年間を通じてではなかった。

 今でこそメジャーでも二刀流と期待されるが、逆風の中での船出だった。「『出来ないだろう』という方ばかりだったので、特にプレッシャーもなくやれました。清宮君の場合は『やって当然』とみんなが見に来ますし、メディアの人も取材してくると思う」。想像以上の重圧が襲うと想定するからこそ「つらいこともあると思うので、そこをはねのけて頑張ってほしい」と、切に願った。

 自身は大きな目標へ着々と準備を進める。手術した右足首のリハビリは投打のメニューで強度も上がり、状態は「徐々に上がっている」。この日は参加を免除されている若手選手対象の座学にも自主参加した。愚直に野球に向き合う姿勢は、ずっと変わらない。助言こそ謙遜してやんわりと拒否したが、残す足跡は後を追う清宮にも必ず生かされるはずだ。【木下大輔】