巨人岡本和真内野手(21)が来季から村田の退団によって空いた背番号25を背負うことが18日、分かった。超高校級の長距離砲として14年ドラフト1位で入団。4年目を迎える来季は、1軍の主戦力として大きな期待がかかる。李承■、村田らかつての本塁打王たちが守ってきた背番号で飛躍を狙う。

 勝利をたぐり寄せる1発を打つことが使命になる。岡本が、球団から村田退団によって空き番号となった背番号25を用意された。日本ハムに入団する早実・清宮に負けじと、高校球界でスラッガーを張った長距離砲が覚醒のきっかけにする。3年間で1軍出場は35試合、わずかに1本塁打。来季こそは2軍戦中心の下積み生活に別れを告げる。その背中を押された。

 今季までは、尊敬する背番号25の背中を追いかけてきた。横浜(現DeNA)時代に2年連続で本塁打王を獲得した村田とは、15年オフに米グアムで合同自主トレを行った。当時、村田本人を前に「後継者は、修さんの後は、僕しかいないです。他のポジションに絶対に回されたくない。必死でやります」と約束し、村田からは「和真の打撃は長所。まず本塁打を打てるとアピールするのが一番」とエールももらった。

 球界を見渡しても「背番号25」の意味合いは明確に示されている。今や日本の主砲に成長したDeNA筒香が筆頭。米大リーグでは01年にシーズン73本塁打を放ち、ジャイアンツなどで活躍したメジャー通算762発のバリー・ボンズが象徴的だ。試合の流れを一振りで変えることができる本塁打には、野球の魅力と醍醐味(だいごみ)が詰まっている。

 今日19日で秋季キャンプを打ち上げる。この日は連日の居残り特守を敢行。ホットコーナーでユニホームを真っ黒に汚して打球を追った。高橋監督も「(体の)強さは最低限あるかなと思いますね。それが来年につながってくれればいいと思います」と期待を込める。球団では02年松井秀喜以来となる日本人本塁打キングへの序章が始まる。

 ◆巨人の背番号25 戦前に井上康弘が初代として25番をつけ、2代目は「塀際の魔術師」と称された平山菊二。大洋(現DeNA)で2000安打を達成し、81年にトレード移籍してきた松原誠も背負った。95~98年には広島からFA移籍の川口和久、05~06年に亀井善行がプロ入り2年間で担った。07~10年の李承■を経て、村田修一が12年から歴代3位の長さで6年間守り抜いた。

※■は火ヘンに華