日本ハム大谷翔平投手(23)の大リーグ移籍のために、異例の「大谷ルール」が誕生した。日本野球機構(NPB)、米大リーグ機構(MLB)、大リーグ選手会による新ポスティングシステム交渉が22日、合意した。新制度は18年からで、今オフの大谷には旧協定通りの譲渡金2000万ドル(約23億円)が採用される。交渉期間は従来の30日間ではなく、12月2日(米国時間1日)から23日(同22日)の21日間になり、MLB30球団には二刀流起用などを訴えるプレゼンテーション期間が設けられた。

 大谷がメジャー挑戦に向けて動きだす。NPB、MLB、大リーグ選手会の合意を受けて、日本ハムは12月2日にポスティング申請を行い、21日間の交渉をスタートさせる。大谷の移籍先は、クリスマス前の同23日までには決定することになった。

 本来ポスティング申請を行った選手と大リーグ球団の交渉は30日間に定められている。これを大リーグ選手会の強い希望で21日間に短縮した。大リーグでは12月上旬に球団関係者や選手の代理人が集まるウインターミーティングが開かれ、大物選手から順に契約がまとまっていく。大リーグ選手会が年内決着を強く求めたのは、注目度の高い大谷の交渉が長期化し、ドジャース・ダルビッシュらの大物FA選手や他のメジャーリーガーの移籍交渉への影響を懸念したため。大谷が今オフの大リーグ移籍市場の目玉であることが証明される特例措置になった。

 交渉期間が21日間に決定したのは、デッドラインだったこの日の午前10時直前。交渉期間が従来より短くなったため、MLB30球団には大谷側に対して事前に書類でプレゼンを行うことが認められた。ポスティング申請を行う12月2日までの期間で、事前交渉はできないが、各球団が二刀流を認める方針やチームの環境、施設などをアピールすることになる。

 大谷の移籍先として本命視されるヤンキースは、キャッシュマンGMが二刀流について「一般的に言えば、両方できる選手がいれば、他が25人で戦っている中、26番目の選手がいるような感覚」とコメントするなど、各球団が検討を続けている。大谷自身は大リーグでも二刀流を続ける希望を持ち、11日にメジャー挑戦を表明した際には「継続してきたものをさらに伸ばしたい。どこかひとつをあきらめるのは今の時点では考えていない」と言った。事前プレゼンでのアピール合戦を経て、大リーグ30球団による大谷争奪戦がスタートする。