阪神ドラフト3位の熊谷敬宥(たかひろ)内野手(22=立大)がスイッチヒッターに挑戦することが10日、分かった。遊撃の守備はアマ球界でも屈指といわれる。ただ打力が課題だ。今秋のリーグ戦は打率2割5分6厘、0本塁打。右打者としては非力な印象があった。球団側は現場の意向を受け、左打席にも取り組むことを打診。本人も了承し、すでに打撃練習も開始しているという。

 プロ入り前のスイッチヒッター転向は異例だ。これは期待の高さを表している。球団関係者は言う。「あの守備はプロ1年目でも十分に通用する。うちのチームでも、1、2を争う力がある」。大和がFA移籍し、守備力の低下が不安材料だ。熊谷は即戦力としても期待されており、打撃が向上すれば、守備固めだけでなく、スタメンを狙える存在になるのは間違いない。

 来春キャンプは、二遊間争いが注目点の1つに挙がる。特に遊撃はレギュラー不在。大山も秋季キャンプで本格的に練習に取り組んだ。西岡も遊撃が完全復活の場になる可能性は十分にある。北條も巻き返しに必死だ。さらに二遊間候補では、西岡、植田に続き、熊谷が3人目のスイッチヒッターになる。チーム全体を見ても、江越が左打席の練習を始めており、4人目だ。スイッチ軍団の形成は異例だろう。

 熊谷は来春キャンプの1軍メンバー入りが有力。金本監督、片岡ヘッドコーチのもと、猛練習で開眼するか。ルーキーの挑戦に注目が集まる。