岡本くん1本お願いします! 巨人ドラフト1位の中大・鍬原拓也投手(21)が17日、奈良・橿原市内のホテルで、中学時代に所属した橿原磯城シニア主催の「入団祝賀会」に出席した。同シニア出身で1学年後輩の岡本和真内野手(21)へ、プロ初勝利を後押しする本塁打を熱望した。プロの世界では3年先輩の大砲とお立ち台での共演も誓った。

 未来のエース鍬原が、未来の大砲に強力援護をおねだりした。出席195人の祝福を受けた後、1年目の目標を聞かれ「まずはプロ1勝、最終的に新人王」と宣言。同シニアで1学年後輩の岡本へ「表ではさん付けするけど、普段はタメ語なんです」と笑いながら「1勝目の試合でホームランを打ってもらって、ぜひ一緒にお立ち台に立ちたいですね」と、グラウンドでの“共演”を願った。

 ずっと気にかけてきた。中学時代、投手兼外野手だった鍬原は5番を任され、3番岡本とクリーンアップの一角を担った。中学卒業後は年1、2回連絡をとり、高校進学、プロ入りへの進路相談も受けた。鍬原が大学1年時に岡本が巨人から1位指名を受け「うれしすぎて、先輩の指名を待っていた大学のホールで、1人だけ立ち上がっちゃいました」。後輩の吉報を、自分のことのように喜んだ。

 3年後、自身も同じく巨人入り。指名翌日、岡本から祝福の電話が入った。「分からないことが多いから、プロの先輩としていろいろ聞くけどよろしくな」と返すと「ああ、いいっすよ」といつもの口調。気の置けない後輩との自然な会話が、不安を和らげてくれた。

 恩は結果で返す。「盛大な会を開いていただいて期待を感じた。岡本と2人で活躍することが、奈良の子どもたちの活性化にもなる」とプロへの自覚も示した。奈良が生んだ2人の若武者が、投打で巨人の将来を担う。【桑原幹久】