巨人を自由契約になった高橋洸外野手(24=日本文理)が29日、来季から社会人野球の深谷組(本社さいたま市)でプレーすることが分かった。1月1日付で正社員として入社し、都市対抗や日本選手権への出場を目指す。

 高橋は今年がプロ6年目で、1軍出場はなく、14年から育成選手でプレーした。今季は2軍出場がなく、3軍で77試合に出場し打率2割1厘、0本塁打、30打点。走塁のスペシャリストとしてチーム2位の31盗塁をマークしたが、オフに戦力外通告を受け、現役続行の道を探した。

 11月15日の12球団合同トライアウト(マツダスタジアム)では、元阪神の西村憲投手から中前打を放つなど4打数1安打。望んだNPB球団からのオファーはなかったが、「走力、脚力には自信がある」というセールスポイントが、視察した深谷組関係者の目に留まった。硬式野球部の幹部は「小柄な選手で足の速い選手はいるが、大きな体(185センチ)であの速さは魅力」とスカウトした。高橋のトライアウトなどの模様は、TBS系(BSN)の特別番組「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」で密着取材され、今日30日に放送される。

 深谷組はスタジアムや大学キャンパスなど土木建設の専門工事を手掛け、15年に硬式野球部を発足させた。元プロの入社は高橋が第1号となるが、一般社員と同じように定時まで新国立競技場などの建設現場で業務に従事し、平日夜や週末に活動する。高橋も1月は現場で研修を積み、2月の新チーム始動から合流を予定する。