楽天が4日に70歳で亡くなった星野仙一球団副会長の監督時代に着用していた背番号「77」を永久欠番とすることを検討していることが7日、分かった。また、お別れ会を複数都市で開催することも検討中。候補地には東京、大阪、仙台などが挙がっている。詳細の決定はこれからだが、多くのファンとお別れの機会を設けるため、さまざまなプランを練っていく。

 楽天が、亡くなった星野副会長が監督時代に付けていた背番号「77」の永久欠番化を検討しているという。尊敬する巨人川上哲治元監督に倣い、中日、阪神で監督を務めていた際も付けたことのある番号。球団関係者は「まだ正式に決まっていないですが、そういうプランもあります」。チームではヤンキース田中が付けていた「18」が半永久欠番となっている他、背番号「10」が、ファンのための番号として欠番となっている。「77」が永久欠番となれば、監督、選手のものとしては球団史上初となる。

 またお別れ会を複数都市で開催するプランも練っている。本拠地の仙台だけでなく、東京や大阪が候補に挙がっているという。親交のあった方や多くのファンに来訪してもらいたい狙いがある。現時点で場所や時期、形式などは未定。球団関係者は「2月はキャンプ。1月に開く声もあれば、3月の声もある。どこでやるのか、球場なのか、施設か、どういう風に行うのか。まだ何も決まっていない」と話し、具体的な部分は今後詰めていく。

 お別れ会以外の行事も考えている。星野副会長の故郷である岡山・倉敷のマスカットスタジアムは、3月にオープン戦で使用する。球団が秋季キャンプでも利用するなじみ深い場所。同市の「星野仙一記念館」が、前日6日に献花台を設置したが、球団関係者は「球団としても何かやりたいという声がある」と話している。今のところ追悼試合の予定はないものの、喪章を着けるなどさまざまな形で故人をしのぶという。

 楽天では、11~14年に監督を務めた。13年にはチームを初の日本一に導き、東北に夢と感動を与えた闘将。球団、ファンに与えた影響は語り尽くせない。密葬は6日に三重・津でしめやかに執り行われた。今度は球団として、偉大な功労者を手厚く送る。

 ◆監督の永久欠番 プロ野球の永久欠番の中で、巨人の川上、長嶋、王らの監督経験者は、監督時代に現役時代と同じ背番号を使った年もある。星野元監督は現役時代に22番と20番、監督では中日、阪神、楽天の通算17年ですべて77番を付けており、現役時代から背番号が変わった監督の永久欠番は例がない。なお、大リーグでは76~96年にドジャースを率いたトミー・ラソーダ監督の2番などがあり、両リーグでワールドシリーズを制したスパーキー・アンダーソン監督はレッズ時代の10番、タイガース時代の11番がいずれも欠番。