イケメン・スター候補が、いきなり実力を発揮した。日本ハムのドラフト3位、田中瑛斗投手(18=柳ケ浦)が9日、新人合同自主トレ初日から“清宮超え”を果たした。「緊張したけど、楽しかった」。笑顔でプロの第1歩を踏み出した右腕が、思わぬ形で大注目の同期を上回っていた。鎌ケ谷で販売されたグッズの売れ行きだ。名前がデザインされたフェイスタオルが、販売開始から約30分で完売。新人7選手の中で一番乗りだ。

 端正な顔立ちで、早くも女性ファンのハートをつかみ始めている。6日に発売された同商品は、すでにオフィシャルオンラインストアでもソールドアウト。相次ぐ即完状態に、球団関係者も「グッズの追加を早急にします」と、うれしい悲鳴を上げた。

 甘いマスクの裏には、強い信念も併せ持つ。プロ入りを機に新調したグラブには「顔晴れ」と刺しゅうした。顔を晴れやかにと書いて、がんばれ、と読む。「顔が曇りのように落ち込んでいたら結果も出ない。晴れた天気のように笑顔でいたい」。高校時代から座右の銘として心に刻む。日々気づいたことを記している「野球ノート」の表紙にも、書き込んでいるという。

 ピンチでも落ち込むような顔は絶対にしない。「顔に出してしまう投手に、いい投手はいないと思うので」。笑みを絶やさない姿は結果だけでなく、きっとファンも付いてくる。ハンサム・ルーキーは晴れやかに、プロ生活を船出させた。【木下大輔】