体をいじめ抜いた先に、史上初の記録が見えてくる。DeNA宮崎敏郎内野手(29)が17日、社会人時代に所属した東京・八王子のセガサミーの施設で自主トレを公開した。昨季は打率3割2分3厘で初の首位打者を獲得。今季に向け「143試合、フルイニング通して出られるようにしたい」と目標を定めた。

 覚悟の表れだ。プロ入りから全試合出場はなし。昨年も開幕直後に左脇腹を痛め離脱した。そんな殻を破るため「ケガをしない強い体」に主眼を置き、鍛錬を重ねる。このオフは練習の約7割が肉体強化。この日も約5メートルのチューブを使った体幹トレや坂道ダッシュなどで追い込んだ。「体作りは永遠のテーマ。肉離れとか筋肉系の故障が多いので、いろいろなところに刺激を入れて、いじめ抜いてます」と全身を鍛え上げる。

 シーズン通して戦い、いかに結果を残すか。タイトルや数字はあえて口にせず「去年を超える成績、キャリアハイを目指していきたい」と引き締めた。有言実行となれば、おのずと見える2年連続のリーディングヒッター。過去、フルイニング出場での首位打者は6人いるが、右打者で達成した選手はいない。初の記録も視野に入るが「タイトルは去年の話。しっかり自分を見つめ直していきたい」と慢心なく足元を見据えた。

 連日2時間以上のマシン打撃を行い、振る力と技術の向上にも余念はない。「今年はリーグ優勝して日本一になれるように頑張っていきたい」。打線の中軸を担ってフルイニング出場を成し遂げる-。98年以来の頂点に立った先には、記録が待っている。【佐竹実】