大物の証しかも…。中日のドラフト1位、鈴木博志投手(20=ヤマハ)が50歳まで現役で投げたOB山本昌のような「無休」キャンプを送る可能性が高くなった。19日、ナゴヤ球場室内で初めて捕手を座らせて投球。鈴木博は意外な収穫を口にした。

 直球だけ31球。スムーズな投法から伸びる球筋が見る者の目を引く。朝倉投手コーチは「ピュッときてる」とうなずいた。内定済みの1軍北谷キャンプに向け、投球は順調そのもの。だが、自分の中のプラス材料は別にあった。

 「今、いろいろ試しているんです。前の休みは体を動かした。昨日の休みは何もしなかった。そうしたら今日は体が重たい感じがしました。少し汗をかいた方が回復するというか、次の日にいい状態で入れるのかなと」

 14日の休日は軽いジョギング、18日は完全休養。あえて2パターンを試したところこの日、明確な“答え”が出た。新生活の中でも、冷静に自己管理に努めているのが分かる。社会人野球を3年経験したオトナのなせるわざだ。

 「無休」といえば15年で引退した山本昌。現役最後の春は2軍読谷キャンプから、故障する3月上旬まで30連勤した。期待の右腕も同じ休日の過ごし方をチョイスする。

 2軍と違い、ホテルと球場が車で約30分かかる1軍は休日返上の選手が少ないが、ランニングや軽い運動ならホテル付近で可能だ。「まだブルペンは2回目。2月1日にはしっかり投げられる状態になっていると思う」。試してガッテン! レジェンド式が実を結べば開幕1軍への視界が開けそうだ。【柏原誠】