ドラ1左腕は和製ランディや! オリックスのドラフト1位・田嶋大樹投手(21=JR東日本)が20日、大阪・舞洲の施設でプロ入り後初めてブルペン入り。捕手を立たせて直球のみ26球を投げた。表情を変えることなく淡々とボールを投げ込んだ左腕は「今日は最初だったんで体を慣らす程度。感覚は悪くなかったです」と冷静に話した。

 豪華メンバーが食い入るように見つめた。捕手の後ろには平井1軍投手コーチ、小松2軍投手コーチ、酒井育成コーチと新人王ホルダーが集結。中でも小松コーチは田嶋の投球を「活躍するにおいがプンプンする」と絶賛。「ランディ・ジョンソンみたい。腕の位置というか、軸からのボディーターンがすばらしい。腕もしなやか」と、サイ・ヤング賞5度の伝説の左腕を重ね合わせた。

 確かにスリークオーターで投げ込むフォームはメジャー303勝左腕と似ていなくもない。ただ、プロ野球やメジャーを見ないという田嶋は「参考にしている選手はいない。投げ方を誰かに教えてもらったことも1度もない」と、フォームの自己流を強調した。すでにキャンプの1軍発進が決定済み。天然素材の和製ランディが、新人王ホルダーの仲間入りをする可能性は十分ある。【桝井聡】

 ◆ランディ・ジョンソン 1963年9月10日、米カリフォルニア州生まれ。85年ドラフト2巡目(全体36位)でエクスポズ(現ナショナルズ)入団、89年にマリナーズ移籍。ダイヤモンドバックス時代の01年に、シリングとともにワールドシリーズMVPを受賞した。09年シーズンを最後に現役引退。メジャー22年で通算303勝166敗、防御率3・29。4875奪三振は歴代2位の記録。サイ・ヤング賞を5度受賞した。最多奪三振9度、球宴出場10度。15年に殿堂入り。