日本ハム栗山英樹監督(56)が、怠慢プレーの取り締まり強化を宣言した。22日、生活拠点を置く北海道・栗山町にある栗山警察署の一日署長を務めた。敬礼姿も様になる栗山署長は、今季の重点施策を発表した。「全力疾走しないとか、気合が入っていないやつは、1年間使わない」。チーム方針は常に全力で最後まで諦めずに戦うこと。それが出来なければ、グラウンドに立つ資格はない。2年ぶりの日本一奪回へ、厳しさを前面に出す構えだ。

 リーグ5位と低迷した昨季も、怠慢プレーと判断されて“摘発”された選手がいた。レアードだ。昨年8月3日ロッテ戦(ZOZOマリン)の6回に三ゴロを放ったが、全力疾走を怠った。三塁手の送球がそれたが、悠々とアウトになった。ベンチで見ていた栗山監督はあぜんとした表情で助っ人の姿を見つめた。7回の守備からベンチへ退かせた。「オレは(表向きには)何も言わないけど、そういう姿は見ている」。監視は、より強化する方向だ。

 この日は栗山警察署の管轄区域である夕張市の施設へ赴き、地元の園児らに交通安全の大事さを訴えた。ふれあいの中で「『勝たなきゃいけないです』とか、けっこう厳しい指摘もあった」と、子どもからのストレートな意見に背筋を伸ばすシーンもあった。「選手には最初に言う」と、米アリゾナキャンプ開始前夜(日本時間2月1日)のミーティングで全力プレーなどの凡事徹底を伝えるつもり。2年前の1月も同警察署の一日署長となり、秋には日本一に輝いた。吉兆の栗山署長が下す命令に背けば、歓喜の秋は迎えられない。【木下大輔】