ルール変更を生かして生き残る。DeNA井納翔一投手(31)が28日、神奈川・横須賀市内の練習場でブルペン入り。左膝を上げた後、もう1度上げ直す新フォームで、座らせた捕手相手に40球を投げ込んだ。昨季まで反則投球だった2段モーションへの変更。「足を上げた勢いを1度止めて、軸足に、しっかり乗せるイメージ。今のところ悪くないと思う」とうなずいた。

 先発ローテ死守へ即決した。今月中旬に2段モーション解禁の報道を知ると、すぐにフォーム修正に着手。「去年のキャッチボール中に(左足を1度)静止して投げたら、すごくよかった」という感覚を頼りに、試行錯誤を重ねている。体重が乗り切らない球もあり「まだタイミングもずれるので、キャンプでもしっかり投げ込んで、フォームを固める。力をためる分、下半身への疲労もくる。トレーニングの回数や強度も上げて、なるべく早く完成させたい」と力を込めた。

 今年でプロ6年目。14年に11勝をマークしたが、以降は2ケタ勝利がなく、3年連続で黒星が先行する。ラミレス監督が明かした今季の開幕投手候補にも、井納の名前はなかった。ルーキー東を筆頭に、若手も控える。結果を残せなければ中継ぎへの配置転換もあり得る。「危機感を持ってやらないといけない。もう1回自らローテを取りにいかないといけない。その上で1年間投げて、結果を出す」。同じことを繰り返すだけでは進化はない。殻を破るために、2段モーションへの挑戦を決断した。

 昨季は2ケタ勝利、防御率2点台、200投球回という目標を立てて臨んだが、6勝、3・84、152回1/3と1つも達成出来なかった。求められるのは、有言実行するための努力。春季キャンプでは初日からブルペン入りする。「若手には負けられない。開幕ローテーションに入って、勝ちにこだわっていきたい」。勝負のシーズン。アピールだけで終わらず、結果を示す。【佐竹実】