楽天の守護神・松井裕樹投手(22)が久米島春季キャンプ初日の1日、ブルペンで2段モーションを解禁した。今季から2段モーションが認められる形で野球規則が改正された。「ルールの中でやることは問題ないということ。今年からは、2段でいきます」と明かし、56球を投げ込んだ。桐光学園(神奈川)時代から投法を注意されることがあった。「もともと2段に近いところがある。だから逆に利用したい」と、既に1月から練習に取り組んでいる。

 2段モーションを取り入れることで「タメ」が生まれる。その「間」を生かすためにこれまでのセットポジションからワインドアップに変更した。「ゆったりとした動作で入って、動きながら投げるということで全体的にというか、ボールに最大限、力を伝えられると思う」と考える。「静→動」ではなく「動→動」のイメージがベース。「打者のタイミングを外すことも可能になる」と有効活用する。

 1つの目標である通算100セーブまで、あと4つに迫っている。今季で抑え転向4年目。昨季セーブ王に輝いたソフトバンクのサファテは、プロ野球新記録の54セーブ。21セーブ差の2位に甘んじた松井は、鷹の守護神を強くライバル視する。「自分がセーブ王になって、チームの優勝に少しでも貢献したい」。新投法で、輝きを増す。【栗田尚樹】