中日松坂大輔投手(37)がギアを1段上げた。9日、北谷キャンプで4度目のブルペン入り。7割程度と話していた前回7日より「力を入れた。強く腕を振れました」。力投する様子に、球団関係者が途中から初めてスピードガンを向けたところ、140キロを計測した。

 受けた相手は初の現役捕手の大野奨。陽気につられるようにエンジンがかかり、球数は最多を更新する77球まで伸びた。「今日は腕を強く振ってみようと。思った通りに球が荒れたけど、いいところも悪いところもはっきりしていた。次回はそれを頭に入れて修正したいですね」と少し日焼けした顔で話した。

 昨年は2月、3月のオープン戦で140キロを出したが、その後に右肩痛を発症した。2月上旬の早い段階だけに仕上がりの良さを明らか。「肩に不安があったときは痛みが出ないように投げていた。大きく違いますね。純粋に野球の技術で悩めるのはいいストレスです」。故障明けであることすら忘れさせる笑顔だった。