さすが、神ってる男だ。右足首手術からの復活を目指す広島鈴木誠也外野手(23)が、約半年ぶりの実戦で初球本塁打を放った。沖縄キャンプの18日、中日との練習試合(コザしんきんスタジアム)の4回に代打出場。鈴木翔の138キロ直球を左翼席に放り込んだ。

 「対外試合で打席に入れたのが一番の収穫。結果として本塁打になって良かった」。昨年8月23日DeNA戦以来の実戦。それでも高い集中力を持ち、甘い球を一撃で仕留めた。

 まだ実戦の守備は就いていない。足の不安は隠さない。「開幕にどうもっていけるのかまだ想像がつかない」。ただ前日17日の練習では挟殺プレーの走者として、足首に負担がかかる切り返しをこなした。この日は試合前の外野シートノックにも入った。キャンプ終盤のスタメン出場が、現時点で描くベストプランだ。

 右の大砲バティスタが2回に先制弾を放ち、開幕4番バトルはいきなりヒートアップ。だが鈴木の足が万全なら、最右翼で間違いない。「暖かくて体が動くので、調子に乗って悪化してもいけない」。フィギュアスケート男子の羽生結弦と同学年。羽生は右足首痛を乗り越えて、五輪2連覇を達成した。鈴木も右足と相談しながら、復帰への階段を上がっている。【大池和幸】