ソフトバンクのオールドルーキー、育成ドラフト6位の渡辺雄大(26=BCリーグ新潟)が18日、A組の紅白戦に初参戦し、支配下登録をアピールした。

 “1軍デビュー”は突然やってきた。5回、飯田が1死満塁のピンチをつくって降板。6回から登板の予定が早まった。しかも、相手は柳田。左殺しで支配下を狙う左腕にとっては最高の場面だった。

 「エッと思ったけど、実際に使われるなら、ああいう場面」。意を決して腕を振ったが一、二塁間を破られる2点適時打を許した。「直球がちょっと甘く入った」。それでも続く吉村を見逃し三振、塚田を三塁ゴロに仕留め、6回は3者凡退で料理。工藤監督は「曲がりが大きいスライダーとシュートして落ちる球。おもしろいかなと思う」と興味を示し、倉野投手統括コーチも「難しい場面ですごく落ち着いていた」と高く評価した。

 2者に生還されたが、渡辺は「しっかり腕を振って、自分の球で勝負できたので」と気持ちを切り替えた。4年間プレーしたBCリーグでは野球だけで生活できず、ホームセンターでアルバイト。木材やブロックなどをトラックに詰め込むなどの仕事をした。「ドラフト後も10月末までやっていました。お前が抜けると人手が足りなくなると言われましたよ」とバイト時代を振り返る苦労人。変則サイドスローのワンポイント左腕として、今季中の支配下登録に野球人生をかける。