米アリゾナキャンプから帰国した日本ハムは、沖縄・名護での2次キャンプ最初のクールが19日に終わった。実戦3試合を行った中で、17日に2軍キャンプ地の国頭で行われた紅白戦に新人右腕のドラフト6位の鈴木遼太郎投手(22=東北学院大)が上々の実戦デビューを果たした。

 紅組の2番手として3回裏に出番が回った。「初めての試合での登板だったので、どこまで今の自分の力が通用するのか試したい気持ちでマウンドに上がりました」。白組の打順は1番杉谷、2番松本、3番近藤という主力組。二ゴロ、中飛、左飛と3者凡退だった。「3人で締められたことが率直にうれしい。自分の持ち味はテンポ良く打たせてとること。今日3人で打たせて取れたことは続けていきたい」と、声を弾ませた。

 春季キャンプは2軍スタートで、17日の登板を目標に1月の新人合同自主トレから調整してきた。栗山英樹監督(56)も「非常におもしろいですね。あれだけコントロールがいいのは、可能性がすごくある。ウチは、どっちかというと球の強いピッチャーが多くて、本当に細かいコントロールが出来るピッチャーが、これから必要だと思う。そういう意味では、これから自分の方向性をしっかり出していってほしい」と、高評価を与えた。

 直球の最速は150キロだが、制球力で勝負する。17日も1イニングを10球で打たせて取った。ドラフト同期の2位西村天裕投手(24=NTT東日本)とは現在、2軍宿舎で同部屋。西村も同戦でデビューし、1回無失点だった。「仲良くしてもらってますし、キャッチボール相手もいつも西村さんとやっています。キャッチボールをしていて、球の重さや強さをいつも見て学んでます。今、同部屋なんですけど『がんばりましょう』『がんばろうな』って感じで話はしました」と、励まし合いながら切磋琢磨。「西村さんのピッチングスタイルは気合を入れてっていう感じですけど、自分はそのタイプではないので」。

 ひょうひょうとしながらも確実に仕事をする。18日には22歳の誕生日を迎えた。21歳ラストデーの快投で、混沌とする日本ハム投手陣の開幕1軍争いに、堂々と名乗りを上げた。【日本ハム担当 木下大輔】