あるぞ開幕スタメン! 阪神ドラフト4位の島田海吏外野手(22=上武大)が21日、韓国・KIAとの練習試合で“プロ1号”を放った。5回無死一塁、相手左腕の内角寄り直球をコンパクトに振り抜いて右翼席まで運んだ。陸上部に所属した中学時代、男子100メートルの日本記録保持者・桐生祥秀に勝ったという逸話を持つスピードスターが、バットで結果を出した。

 2回には左翼線へ二塁打を放ち、この日は4打数2安打2打点。実戦6試合で打率2割6分1厘、1本塁打、2打点、3盗塁と暴れ回る。中堅の本命は昨季20本塁打の中谷だが、こちらは6試合で打率2割2分7厘、1本塁打、4打点。高山、俊介も目立った成績を残していない。走れる島田の中堅奪取の可能性もゼロとは言えなくなってきた。金本監督の想定では1軍の外野手は5枠だったが、島田の台頭に「どうなるんだろうな。嘉男(糸井)、孝介(福留)でしょ? センターに中谷、俊介、高山、島田ときてみ。外野で6人は入れられんぞ、多分」と、うれしい悲鳴だ。

 “プロ1号”にも島田は「良い風が吹いていた」と謙虚に答えたが、開幕スタメン入りについては「まずは自分の力を最大限に発揮して、精いっぱいのアピールをしていきたい」。虎の中堅争いをルーキーがかき回す。【古財稜明】