DeNA筒香嘉智外野手(26)が、今季1号を放った。23日、沖縄・宜野湾で韓国・KIAと対戦。3番左翼で先発し、5回に右越え2ランを放った。実戦5試合目で初本塁打。このオフから取り組む新打法で、昨季の韓国王者からアーチを描いた。プロ野球のオープン戦は今日24日、沖縄県内の4試合でスタート。3月30日のセ、パ両リーグの開幕に向け、各チームの調整が本格化する。

 18年版筒香が打った第1号は、東シナ海から吹く風に乗っていった。ボール球を見逃し2球目。高めのフォークを迷いなく捉えた。「普通のホームランの感触です。打てるにこしたことはないけど、それより大事なことはあるので」。アトムホームスタジアム宜野湾の右翼外野席にある芝生の上に落ちた今季1号には、満足感はない。まだ進化の過程にあるからだ。

 バットを握り、悠然と打席で構えるたたずまいは、昨季とは違う。直立に近い立ち方で、腰は高く構えている。このオフから取り組む新打法は微調整を繰り返している途中。「実戦に入って体が動く部分と、動かない部分の差を積み重ねで埋めていく。まだまだですね」。極端に力感のない状態から、打撃モーションに入った瞬間にパワーを爆発させる新打法を、試行錯誤繰り返している。

 試合前練習でのフリー打撃ではスコアボード直撃が2本。前日22日からスイングを強めに振り始め、1号の予感は漂っていた。ラミレス監督は「僕も現役のときに毎年フォームを変えていたが、新しいものを試そうとすると、50から60打席はかかるもの。彼はプロ中のプロだから、何も心配していないし磨き上げていくと思う。オープン戦前日に打ててよかった」。実戦5試合で12打席目。今日24日に巨人戦で始まるオープン戦に弾みをつけた。

 より公式戦に近づく中で、筒香は「雑にならないように丁寧に、1つ1つ積み重ねていけたらいい」。焦らず、じっくり、ニュー筒香を仕上げていく。【栗田成芳】