バティの居ぬ間に活躍だ。広島アレハンドロ・メヒア内野手(24)が24日、楽天とのオープン戦で1号ソロを含む2安打を記録した。

 同郷のサビエル・バティスタ外野手(26)の離脱もあり、今年初めて対外試合にスタメン起用されたチャンスを生かした。外国人枠とともに、開幕1軍枠にも割って入るため、貪欲に結果を求めていく。

 低い弾道で左翼方向へ飛んだ打球は、フェンスを大きく越えて芝生席で弾んだ。

 1点リードの7回。今年初めて対外試合先発出場のメヒアが楽天寺岡のやや高め真っすぐを強振した。「ライナーを意識した。本塁打を意識すると力んでミスになるので、自分のスイングをすることを意識した」。低めの際どい変化球を見極め、3-1のバッティングカウントにしたことで精神的余裕が生まれた。

 バティスタは21日に死球を受け「左第5中手骨骨挫傷」と診断された。同郷選手のアクシデントもあり、巡ってきた今年初のスタメンで結果を残した。パワーが持ち味のバティスタに対し、対応力の高さで勝負する。2回の1本目の安打がそうだった。無死満塁での1打席目。欲が出る場面でも冷静だった。「打席に入ったときは高めを狙ったけど、2ストライクになってゲッツーでもいいと思っていた」。遊撃手のポジショニングを見てゴロを打とうと意識した。広島攻撃陣の特長でもあるつなぎの意識は、メヒアにも浸透している。

 今春のキャンプも、早出練習や居残り練習にも参加し、日本人選手とほぼ同じメニューをこなしてきた。元気の源は「何でも食べること」と笑う。宿舎ではビュッフェスタイルの食事で体調管理し、休日にはバティスタやクレート通訳とともにステーキを食べてスタミナをつけてきた。

 6人で争う外国人枠だけでなく、一塁と三塁の開幕1軍争いも激しさを増す。限られた出場機会で結果を残すことが求められる。試合も「久しぶりのスタメンで2安打打てたことは良かった」と安堵(あんど)しながらも「バティスタがいないことは関係ない。自分はアピールを毎日するだけ。チャンスをつかまえるだけ。もっと行きたい」と鼻息は荒かった。離脱中のバティスタ、2軍調整中のエルドレッドがいない間に、大穴メヒアが開幕1軍のゴールを目指す。【前原淳】