巨人が上原浩治投手(42=カブスFA)が日本球界復帰を決断すれば獲得へ動くことが2月28日、分かった。当初メジャー以外は引退と決めていた右腕が、野球への情熱から日本への帰還を視野に入れていることが判明。4年ぶりのリーグ優勝を目指す古巣巨人が高橋監督の同学年で盟友でもあるリリーバーの動向を注視している。上原が日本復帰を決めれば、10年ぶりの「巨人上原復帰」の可能性が高まってくる。

 巨人に上原が帰ってくることが現実味を帯びてきた。「日本の球団で『上原がほしい』と言ってくれる球団があるなら、そこで野球がしたいと思います」と10年ぶりの日本復帰を視野に入れた右腕。古巣も反応を示した。巨人在籍時に投手コーチとしても指導した鹿取GMは調査について「本人がどうするか決めないと何も言いようがない。もし日本でと決めたら(対象に)そうなるんじゃないか」と、慎重に言葉を選びながらも関心を示した。

 メジャー契約の可能性も残されているが、日本へ戻ることを決めれば巨人が獲得に動く。高橋監督とはともに75年4月3日生まれの縁で結ばれる。2人は投打の象徴として00年代の巨人をけん引した。上原のメジャー移籍後も交流は続き、オフになればイベントで共演。日程が合わずに実現しなかったが、高橋監督は春季キャンプ訪問の打診をしたこともある。

 巨人の救援陣の層は厚いとはいえない。昨季はカミネロが29セーブを挙げ、5年連続50試合以上登板のマシソンがセットアッパーを務めた。だが確固たる3枚目以降がいない。16年までの守護神沢村は昨季は登板ゼロに終わり、現在は2軍調整からの1軍昇格を目指している段階。西村、田原、育成の高木が勝ちパターン入りを狙うが、期待された池田が故障で3軍行きとなった。メジャーで救援のスペシャリストとなった上原は補強ポイントに合致する。

 近年はメジャー選手の古巣復帰が大きな推進力を生んできた。広島黒田、ソフトバンク和田が愛着あるユニホームに袖を通し、レジェンドとして優勝に導いた。今年はヤクルトに青木が帰ってきた。上原にも突出した技量とカリスマ性が備わっている。巨人は4年ぶりのリーグ優勝奪回へ、高橋監督が就任3年目を迎えた。勝負のシーズンへ、チームを変える強力なピースになり得る。