チャンスは残り10試合や! 阪神金本知憲監督(49)が7日、オープン戦最終カードとなるオリックス3連戦(京セラドーム大阪)を開幕メンバーで戦うことを示唆した。それまでに定位置争いにメドをつけることになり、明日9日中日戦(甲子園)からの10試合が生き残りをかけた舞台になる。若手主体の打線はこの日のDeNA戦で3安打1得点とふるわず、オープン戦開幕5連敗。チームは最下位となったが、勝負はこれから。意地と意地がぶつかり合うバトルがいよいよ最終章を迎える。

 少し寂しい敗戦の直後、それでも金本監督はオープン戦開幕5連敗を笑い飛ばした。「全然、関係ない! (白星は)シーズン中に取ってあるんですよ」。本番はあくまでレギュラーシーズン。指揮官は鍛え抜いた若虎、そしてチーム全体の底力を信じている。

 もちろん、打線の状態が気がかりではある。この日、唯一観客を沸かせたシーンは9回裏2死から。途中出場の山崎がしぶとく右前に落とし、5番陽川の右越え適時三塁打でようやく1点をもぎ取った。それまでチーム全体でわずか1安打。21歳飯塚から高卒ルーキー左腕の桜井ら主戦級ではない投手陣に3安打1得点と抑え込まれ、指揮官も苦笑いするしかない。

 「う~ん…狙い球とか、タイミングもちょっと遅いわな。トップを作るのが。審判も(ストライクゾーンが)広かったけどね。広いなら広いなりの対応をやっていかないとね」

 チーム打率は2割2厘で12球団最下位となったが、打てなかった結果は結果として受け止め、前へ進む。首脳陣はこれまで長い時間を費やしてプロセスをチェックしてきた。目の前の1試合だけで選手の“合否”を判断することはない。ただ開幕スタメン、開幕1軍メンバー入りに向け、ナインに残されたチャンスが限られてきたのも事実だ。

 指揮官はテレビインタビューで開幕メンバーで戦う時期を問われ「(開幕の)1週間ぐらい前かな。残り2、3試合ぐらいになると思います」と返した。開幕の巨人戦は3月30日。つまり23日からのオリックス3連戦は固定メンバーで戦う、ということだ。裏を返せば、生き残りをかける選手のアピールは明日9日中日戦から21日ロッテ戦までの10試合で終了となる。

 金本監督は遊撃レギュラー争いを例にあげて「糸原、西岡もレベルの高い争いをしてくれている」と表現した。各ポジションのバトルに納得しているが、もちろん競争は最後に勝ち負けがはっきりする。サバイバル10番勝負。指揮官がナインの力量を丁寧に見極める。【佐井陽介】

 ▼阪神のオープン戦開幕5連敗は、14年の開幕戦△の後に2戦目から7連敗して以来。同年は公式戦2位ながら、CSを勝ち抜いて日本シリーズへ進んだ。なお開幕戦●からの5連敗は、65年以降では初。これまでの最長は4連敗で、67、83年と2度あった。