日本野球機構(NPB)とプロ野球選手会の事務折衝が16日、都内で行われ、NPBが12球団と意見交換している「野球くじ」について、選手会は、懸念を抱いていることを伝えた。進展を尋ねた選手会に対して、NPBは導入の可否について「ニュートラル(中立)」な立場と説明。選手会の森忠仁事務局長は「選手としてはネガティブな感じで捉えていると伝えた」と話し、松本泰介弁護士は「ネガティブというよりはポジティブではないよという話。積極的に反対している訳ではない」と補足した。

 選手会は前回野球くじが検討された15年にNPBに否定的な見解を伝えている。森氏は、買い目を選べない「非予想型」のくじであっても「買った後は試合が分かる。工作はできてしまうのではないかという選手の意見もあった」とし、サヨナラ負けを喫した投手らに「やじは(これまでも)あるが、お金が絡んだやじとなると、また別な、違う行動に出る人がいないとは限らない」との懸念を示した。

 NPB選手関係委員会の谷本修委員長(阪神)は「選手会がポジティブではないというか、懸念があるという話ですよね。こちらも十分承知している話」と理解を示した。この日は書面を交わしての議題ではなかった。今後も両者は、議題となる前段階の意見交換を続けることになりそうだ。