ウオーキング打法から再出発や!! 不調の阪神新外国人ウィリン・ロサリオ内野手(29=韓国・ハンファ)が16日、甲子園で残留組練習に参加し、福留孝介外野手(40)から特別レッスンを受けた。課題の間の取り方の修正法の1つとして、「歩き打ち」の手本を示され、自ら居残り特打で珍練習を実践した。オープン戦は打率1割5分と低調だが、キャプテンの心遣いに感謝。今日17日からの中日2連戦(ナゴヤドーム)で豪打復活を目指す。

 不調を振り払う大汗だった。ロサリオは甲子園に居残り、腰を据えて練習。通常メニューを行って糸井、鳥谷、西岡ら主力が引き揚げた後だ。再び打席に入り、黙々とバットを振った。

 後方では、平田チーフ兼守備走塁コーチが見守る。途中からは福留が助っ人に歩み寄った。自ら打席に入り、前方に歩きながら打つ「歩き打ち」を1球、ベテラン自ら実演。その直後から、ロサリオはこの動作を採り入れてスイングを始めた。<1>左足を足踏み、<2>右足を交差させて投手方向に出し、<3>左足を踏み込んで打つ。普通に打つ練習も交互に交ぜながら、試行錯誤を続けた。

 悩める助っ人にキャプテンからさりげないサポート。平田コーチが「歩き打ち」の意図を説明した。「突っ込まないようにとか、間の取り方だね。うまく間が取れていないから。孝介がずっと見ていて、こういう練習法もあるよ、と。練習方法の1つとしてね」。

 ロサリオは2月の沖縄・宜野座キャンプ中、6試合で12打数8安打、打率6割6分7厘の猛打で3本塁打をかっ飛ばしたが、3月に入ると勢いが止まった。日本独特の配球に手を焼き、外角低めに曲がっていく変化球に空を切る。ストライクゾーンにも試行錯誤。高めのボール球を振り、低めの球の見極めも課題だ。この日の特打の前のフリー打撃では、カーブ打ちも織り交ぜて、間合いを工夫。いい打撃練習になったかと問われると「はい、そうですね」と笑顔でうなずいた。

 この日は甲子園のブルペンに入り、来日後初めて投手陣の投球も受けた。大リーグ時代は捕手で323試合に出場。「自分の体を保つために」と話した。捕球感覚を忘れないためのキャッチング練習。経験豊富な片山ブルペン捕手も「メジャーでもやっていたくらいだからね」と深くうなずいた。金本監督は打撃に専念させる方針で、捕手は緊急事態の位置づけ。ただ本人にとっては、気分転換の意味もあったとみられる。

 充実の打撃調整を経て、今日17日の中日戦から実戦に戻る。開幕まで7試合、豪打復活へギアを上げる。