スタメンでもいける! 巨人のドラフト3位ルーキー大城卓三捕手(25=NTT西日本)が西武とのオープン戦で初めてスタメンマスクをかぶった。先発田口を好リードし、7回4安打1失点。打っては2回に先制犠飛を放ち、攻守でオープン戦首位浮上に貢献した。これまでは打力の評価が高く、DHなど本職以外での起用が多かったが、捕手として結果を残し、猛アピール。小林に次ぐ捕手2番手候補に躍り出た。

 大城は迷いなく、外角低めへとミットを構えた。同点の7回2死二、三塁、打席には代打栗山。直前に内角高めの球で体を起こさせ、フルカウントからの6球目。128キロスライダーを求めた。ボールはバットがギリギリ届く場所へ沈む。芯を外し、勝負あり。左邪飛でピンチを脱した。「相手打線がいいのでキャッチャーとしていい経験ができた」と7回1失点。堂々のリードだった。

 冷静に強打者を抑えた。秋山、浅村、山川、森、中村、メヒア。バッテリーに恐怖心を与える打線に外角の直球を中心にカウントを作る。追い込むとスライダーとチェンジアップの緩急で打ち取った。初コンビの田口とは毎回言葉を交わした。途中出場した13日のソフトバンク戦では捕逸をしたが、この日は0。「毎日やっていることに意味がある」と村田ヘッド兼バッテリーコーチとのワンバウンド捕球練習を糧にした。

 2番目の座にグッと近づいた。正捕手は小林が最有力も第2捕手は不確定。昨季限りで熟練の相川、実松が去った。昨季ブレークした宇佐見は2軍調整中で、現在は田中貴、河野が2番手争いを繰り広げる。大城はこの日、2回に先制犠飛。「打てる捕手」として存在感を増す。村田ヘッドは「誠司がダメだった時に誰を使おうという中で良かった。落ち着いて守っていた。シーズン中だったら大城が打って、抑えて、勝ったなという試合」と褒めた。

 V奪還への大きな駒となる。オープン戦10試合出場で3割3分3厘、1本塁打。打力への期待が高く、途中出場やDH起用が多かった。試合後、高橋監督は「バッティングもいいですし、可能性は感じます」と捕手として高く評価した。チームはオープン戦首位浮上し、13年以来の“優勝”も見えてきた。大城は「まだアピールになっていないけどこれから増やしていきたい」と捕手起用に意欲を見せる。まずは開幕1軍をガッチリつかむ。【島根純】