中日、阪神、楽天の監督を歴任し、今年1月4日に膵臓(すいぞう)がんのため70歳で死去した星野仙一氏のお別れの会が19日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。球界内外から3150人が集い、別れを惜しんだ。楽天三木谷浩史会長兼オーナー(53)らが弔辞を読んだ。三木谷オーナーは涙を流し、星野監督の背番号77を永久欠番とする意向を表明。勝利への執念を植え付けた功績に感謝した。

 「お別れの会」発起人の楽天三木谷会長兼オーナーは、謝辞の冒頭から涙が止まらなかった。

 「今でも、最初に会った時のことを覚えています。『君みたいな若い人がプロ野球に参入して、新しい風を作れ』と後押ししていただいた。苦戦が続いている中で、ダメもとで監督をお願いしたら『エエよ』と快諾していただいた。参入した時点で運命は決まっていたのかも知れません」

 1分近く絶句し「よし、と思っていた矢先に大震災があって。えらいことだと」と就任前後を思い出してまた泣き、弔辞に入った。

 巨人を倒し日本一となった13年の日本シリーズ第7戦。星野監督は、前日160球を投げていた田中を9回のマウンドに送った。「そばで見ていました。審判にニヤニヤしながら近づいて『誰か分かるか? 田中だ』と叫んだ姿。心に焼き付いています」と、二人三脚でチームを強化し頂点を極めた場面を回想。「ファンの方々も、イーグルスの試合を見る度に思い出すことでしょう」と紡いだ。

 背番号「77」を楽天のシンボルにする。ユニホームの内側に縫い込む意向に加え「永久の宝として、取っておく」と、永久欠番とする意向を明かして結んだ。