決まらん2戦目を最終テストで決める。阪神は21日のロッテ戦(ZOZOマリン)が雨で中止となり、2戦連続で流した。ローテの練り直しを迫られた金本知憲監督(49)は31日の巨人との開幕2戦目(東京ドーム)が固まらない現状を嘆き、候補に能見篤史投手(38)も浮上。筆頭候補だった岩貞祐太投手(26)に小野泰己投手(23)も挙げた。通常ならローテが決まっているオープン戦終盤。3人が開幕までに投げるラスト1試合で総合判断する異例の手法で、開幕メッセンジャーに続くG倒男を選ぶ。

 コンクリートをたたきつける雨。頬を打つ風は冷たい。ジャンパーを着た金本監督は、恨めしそうに千葉の空を見上げた。「2つ目が決まらんのよな。2戦目がな。だからこそ、2試合で試したかったんだけどね」。開幕2試合目の31日巨人戦を10日後に控え、ここに来て2戦連続の雨天中止。ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)も中止となり、機会を奪われた現状を嘆いた。

 筆頭候補だった岩貞は17日の中日戦(ナゴヤドーム)で6回5失点。小野や才木らを含めて見定めたいところで、雨。当初この日登板予定で、4月5日のDeNA戦(横浜)が有力視されていた能見の調整登板も、週末にずれた。指揮官は「岩貞、小野、能見も候補やね」と明かした。すでに開幕ローテ入りを明言している能見も2戦目の候補に入った。

 それぞれが開幕までに投げるあと1回の登板で、大枠を固める必要がある。もっともスムーズな中6日で開幕2戦目に向かわせるプランなら、能見か岩貞か。2人は24日に同日登板を予定。1軍オリックス戦(京セラドーム大阪)で能見が、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で岩貞が投げる。天候を見て急きょ千葉入りを見送った能見は「大分(予定が)変わりましたね」と苦笑いを浮かべた。

 今日22日にはウエスタン・リーグ広島戦(由宇)で小野が先陣を切る。当初は20日のオープン戦DeNA戦(横浜)で登板予定で、2日飛ばしてのマウンド。小野が2戦目となれば、開幕のメッセンジャー、3戦目の秋山と3人右腕が並ぶ。左腕を挟むのが理想だが、金本監督は「無理くり良くない投手を投げさすよりもね」と可能性を否定しなかった。

 金本監督が「ほんまにこれは、何通りものあれ(プラン)があるから」と明かしたように、複数のパターンが浮上している。開幕2戦目に投げなかった2人のいずれかが、4月5日のDeNA戦に向かうプランや、そこにメッセンジャーが中5日で向かい、週末を空ける可能性もある。開幕3週目には6人目が必要で、才木も控える。若手2人の快投でうれしい悩みに変えるしかない。【池本泰尚】