中日5連敗からの脱出劇をけん引したのは身長201センチの大型新助っ人スティーブン・モヤ外野手(26)だった。前日19日に米国市民権取得のため離日したビシエドの代役が暴れに暴れた。

 幕開けは3回だった。1死一、二塁。バットを折られながら、右前へ勝ち越し適時打。さらに5回には、前打者の3番アルモンテが無死から左前打で出塁すると、右翼フェンス直撃の二塁打でチャンスを拡大した。終演は3点を追う7回。1死から左中間二塁打を放ち、大逆転劇への幕を開けると、打者一巡して迎えたこの回2度目の打席では、ダメ押しの左前適時打。4安打3打点の“デビュー”と身長同様に、衝撃度も規格外だった。「何を言っていいか分からないくらいうれしい」と、来日初のお立ち台では、白い歯を見せ続けた。5連敗の“モヤモヤ感”を一掃する20安打の猛攻の軸となった。

 5回は二塁打を放った後に三進し、高橋の左飛で右足を伸ばして本塁突入したが、アウトに。ベンチはリクエストに出たが、判定は変わらず。しかし、バットだけでなく、積極的な姿勢をみせつけたシーンでもあった。

 森監督は「広島もモヤが初めてで分からなかったんだろう。ずーっと続くとは思ってない。(モヤは3回に)初ヒットが出て本人も、チームも乗っていけた。昨日までは考えられないヒットが出た」と、連敗が止まったことを喜んだ。しかし、指揮官は反省も忘れていない。「ああいう5点を取られたイニング(7回)を考えないと。取れるとこで取ってなく、出してはいけないところで四球を出したりしている。ウチは相手がどうのこうの言ってる場合じゃない。その日その日の1打席1打席を、投手は1つのアウトを取らないと1イニングの大量点になる。それを防がないと」と、気を引き締め直していた。