日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18)のバットが22日、再び火を噴いた。イースタン・リーグのロッテ戦(鎌ケ谷)で、1-3の8回1死走者なしから、ロッテ阿部和成投手(28)の初球、149キロ直球を右翼へ。2試合ぶりとなる推定飛距離110メートルの3号ソロで、2日前に抑えられた右腕にリベンジした。試合は敗れたが、4打数2安打1打点。週明けの昇格こそ見送られたが、早期1軍を猛アピールした。

 天高く舞い上がった打球は、右翼席後方に張られた防球ネットを直撃し、芝生席で軽やかに跳ねた。1-3で迎えた8回1死走者なし。1点差に追い上げる3号ソロを放った日本ハム清宮は、笑顔で2年目の郡(こおり)と歓喜のダンスを踊った。「(打球が)上がりすぎちゃったと思ったけれど、入ってくれて良かったです。自分でもびっくり」。「ペット同伴デー」のこの日は、2152人に犬猫87匹が試合を観戦するなど大盛況。スタジアムの主役は、3日間で3本塁打を放ったルーキーだった。

 初アーチを刻んだ20日の最後の打席、1発出れば逆転サヨナラという9回1死満塁で、投ゴロ併殺打に抑えられたロッテ阿部と再び相まみえた。「リベンジの気持ちはありました」。前回、全11球直球勝負で挑んできた10歳上のベテラン右腕に対し「真っすぐを絶対に打ち返そうと考えていました」。狙いどおり、初球の149キロをフルスイングした。直球を打っての本塁打はプロ入り後、初めてで「今までは変化球しか打ててなかったので、速い球を初球から打てて良かった」。力勝負に勝って、スラッガーの面目躍如だ。

 失敗もあった。6回の第3打席では左翼線ぎりぎりに落ちる安打を放ったが、ファウルと勘違いして、打席から走りだしたのは三塁塁審がインフィールドのジェスチャーをしてからだった。当然、首脳陣に注意され「次からは、ちゃんと走ります」と猛反省。荒木2軍監督は「ああいうプレー、1つ1つが上(1軍)に行けない原因。本塁打を打てば良いというわけじゃない。まだ、こっちでやることは山積み」と、厳しくも温かいまなざしを背番号21に送った。1カ月近くになる2軍生活で、ビッグルーキーは日々、プロとして成長している。【中島宙恵】