闘志なき者は去れ!! 阪神が屈辱的な巨人戦5連敗を喫した。金本知憲監督(50)は糸原をプロ入り初めて2番に抜てきするなど、打線を組み替えたが不発。再び借金を背負ってしまった。巨人3連戦はわずか3得点の窮状だ。指揮官は虎ファンに懺悔(ざんげ)した上で、「悔しい思いを持っていない選手は使えない」と厳しい口調でナインを鼓舞した。

 日曜日で快晴の甲子園が悲劇の舞台になってしまった。スコアボードに刻まれていくのは、巨人の得点だけ。終わってみれば1-10の惨敗で、虎党も肩を落として帰路に就いた。3月30日の開幕戦を制した後は、宿敵相手に2年ぶりの5連敗。金本監督も「ファンに申し訳ないと思っている」と謝罪するしかなかった。

 用兵も実らない。得点力アップをもくろみ、この日は先発オーダーに「1番上本 2番糸原」と書き込んだ。糸原の2番はプロ2年目で初めて。開幕から全試合で先発出場し、試合前まで打率3割5厘の好調を買って起用したが、1回に空振り三振し、3回は内角直球に見逃し三振。金本監督は「糸原に期待したんだけどね、上本と。なかなか塁に出ないと機能しない」と嘆いた。打線の組み替えはハマらず、巨人3連戦は3得点に終わった。

 一塁側インタビュー室で金本監督は悔しさをあらわにした。

 「甲子園でいい試合をして勝ち越したかった。申し訳ない思いでいっぱいですし、選手が悔しい思いを持っているかどうか。ここが一番、問題ですわ。持っていない選手は使えないと思うし、淡々と終わっているようじゃ使えませんよ。いらない、そういう選手は。どれだけ、そういう気持ちを持ってくれるかです」

 チームは05年を最後に優勝とは無縁で、今年は13年ぶりの頂点を狙う。就任3年目の指揮官は、日々、勝負への執着心を植えつけてきた。だからこそ、一方的に敗れ去る現実に直面し、厳しい言葉を投げかけた。

 「基本的には1年間、ずっとそういう気持ちが必要だと言っている。淡々と流れに任せるのがウチの悪い伝統だから。そこは絶対に引き締めて、僕らもいく」

 今日23日は当初、先発投手の練習を行う方向だったが、試合後、全体練習に変更になった。再び借金1を背負い、巻き返しに入る。投手も、野手も、若手も、ベテランも、白球に食らいつけているか。白星にしがみつけているか。屈辱的な黒星を、反転攻勢のバネに変えたい。【酒井俊作】

 ▼これで巨人戦は5連敗。16年7月18日~8月20日に喫して以来の屈辱だ。巨人戦の2桁失点も16年4月27日(11失点)以来となる。また、被安打16は昨年6月23日広島戦以来。