巨人山口俊投手(30)が新潟・長野の「米どころシリーズ」を制した。

 雨天の中でマウンドの足元がぬかるみ、イニングを追うごとにバランスを取るのが難しくなる状況も「突っ込まないように。より体重移動が早くならないように」と下半身を大地に根付かせて投球。

 2回に平田に1発を食らったが、直球、スライダーで打者の懐を攻め抜いた。3回から7回まで許した走者は四球の1人。9回にアルモンテに左前打を許し、モヤに1発を浴びれば同点の状況も強気に2メートル1センチの助っ人の内角を攻め抜き、一ゴロに仕留めて2試合連続完投勝利を収めた。「状態もいいし、最後も投げミスはないと思っていた。誠司(小林)も感じてくれたと思う」と振り返った。

 17日の新潟でのDeNA戦も2失点完投勝利。ルーティンで登板前に多量の炭水化物を摂取し、エネルギーを蓄積させる「カーボ・ローディング」を取り入れている。新潟、長野とおいしい米の産地で銀しゃりをほおばり、試合に臨んだ。打撃にも効果を発揮し、2回2死一、二塁で決勝打となる左前適時打を放った。

 一時は投壊で最下位に低迷したチームも、山口俊の奮闘から流れを引き寄せ、今季初の4連勝で借金返済まであと1。「ここまでの(登板)4試合は自分自身でも出来過ぎという感覚もある。気を引き締めて調整していきます」と、かぶとの緒を締めて、川中島の戦いで知られる同地を後にした。