巨人は、昨秋からの打線強化が実り始めた。昨季はチーム打率リーグ3位、総得点同4位で、Bクラス転落の要因となった。シーズン後に吉村打撃総合コーチを招き、打撃コーチ3人体制とした。岡本は15年、16年秋は海外でのウインターリーグに転戦していたが、国内に腰を据えて鍛錬の秋とした。同キャンプでは各自が3倍増の1日1500スイングが課され、振りまくった。

 歴史的な爆勝となったが、細かなつなぎも見逃せない。初回無死二塁で吉川尚が二ゴロで進塁打。3回無死一塁も犠打を決められなかったが、粘りながらエンドランで遊ゴロで得点圏に進めた。先発野手で唯一、無安打も任務は遂げた。高橋監督も「数字、結果以上の内容だった」と認めた。

 5回の打者一巡8得点に続き、6回も再び一巡で7得点。昨季までは手綱が緩む傾向があったが、今季は一気呵成(かせい)だ。亀井は「大量点の後は0点ということもあるが、個々が集中している」と実感する。

 開幕後もホーム、ビジター問わず、試合後は若手が集い、打撃コーチが見守る中でバットを振る。最強打線への道は1日にしてならずだが、地道な鍛錬の成果は表れている。チーム打率はリーグ1位。1試合平均得点は昨季の3・8点から5・1点に増加。総得点で200点差をつけられた広島に、今季は平均得点で上回っている。【広重竜太郎】

 ▼巨人が17安打で20得点の猛攻で5連勝。巨人の1試合20得点以上は、55年6月22日広島戦の25点以来、63年ぶり10度目だ。楽天はまだ20得点を記録したことがないが、楽天を除いた現11球団のうち10球団は80年以降に20点以上を挙げており、巨人が最も20点から遠ざかっていた。この日は5回に8点、6回に7点。25点を記録した55年6月22日広島戦では4回に7点、7回に7点を挙げるなど、1試合に7点以上のイニングが2度はこれまでにもあった巨人だが、2イニング連続で7点以上は球団史上初の猛打だった。