敗戦の中でルーキーが輝きを放った。DeNAのドラフト7位、宮本秀明内野手(21)がプロ初スタメンの「2番二塁」で2安打1打点。3点を先制された直後の1回は、右中間席への2号ソロで反撃の口火を切った。前日25日のプロ初安打での1号アーチに続く2戦連発。チームが敗れ笑顔はなかったが「(本塁打は)昨日よりも手応えはあった。しっかり3本振ることを意識した。(同期で先発の東を)援護したい気持ちもあった」とうなずいた。

 抜てきに全力で応えた。開幕1軍をつかむも、ここまで代走が主。スタメン起用を告げられた際は「正直ビックリしたところはありました」と初々しく明かした。それでもグラウンドに立てば新人も主力もない。求められるのは結果。「代打での1打席で、甘い球は1球くるかどうか。それを100%仕留めるように」と集中力を持って打撃練習を重ねてきた。その成果を第1打席からみせた。

 先頭の3回は追い込まれてからの内角速球を右前打。「追い込まれてもデータを頭に入れていたので。しっかりたたけてよかった」。次打者の2球目には2度のけん制で警戒されながらも二盗を成功。配球の傾向、クイックモーションのスピード。事前の準備を結果につなげた。

 ラミレス監督も「勝てなかったがチームに勢いをもたらしたのは間違いない」と目を細めた。試合前からの予定通り、6回の守備から交代したが、強烈なインパクトを残した宮本。「またチャンスをもらえた時、結果で応えられるように準備したい」と慢心なく気を引き締めた。【佐竹実】

 ◆宮本秀明(みやもと・しゅうめい)1996年(平8)7月24日生まれ、熊本県出身。秀岳館-パナソニックを経て、17年ドラフト7位でDeNA入団。開幕戦に代打で登場しプロ初出場。4月25日の広島戦で初安打を代打本塁打で飾った。今季年俸は750万円(推定)。178センチ、81キロ。右投げ左打ち。