もう1人の「ダイスケ」もすごかった。今季初先発の中日山井大介投手(40)が、4年ぶりとなる完封勝利を挙げた。前回登板から中4日。疲れも見せず、中日の40代投手では山本昌以来2人目の快挙となった。

 最後に訪れた試練も、ベテランの技で乗り越えた。9回、先頭の梶谷に二塁打を打たれ、失点の危機を迎えた。「冷静かつ大胆に、攻めの気持ちを忘れずに」。山井は登板前の誓いを忘れなかった。2番ソトを三ゴロ、続くロペスを三邪飛。最後は筒香を決め球のフォークで中飛に打ち取った。「出来すぎです。40歳の1発目で完封できたのは、よかった」。DeNA打線の主軸3人をノーヒットに封じ、4安打完封。最高の形で今季初先発初勝利を飾った。

 10日に40歳を迎えたが、気持ちに衰えはない。昨年は2戦2勝で契約更新を勝ち取った。「やれるという期待も契約に入っている。今年は開幕ローテに入りたい気持ちがあった。ファームではいい球を投げている自信はあった。心のコントロールはできていた」。

 17日のウエスタン・リーグ広島戦で79球を投げ、5回1失点。登板後に1軍昇格の話が来た。年齢を考えると、中4日はきつい。それでも嫌な顔を見せなかった。「投げろと言われるのは、うれしいこと。パワーに変えたい」。この日、直球は球威があり、フォーク、スライダーも抜群。森監督は「いつでも代えようと思っていた。本人が行くって言うんだから」と8回もそのまま打席に立たせた。

 20日の松坂に続き、2戦連続で「ダイスケ」が好投した。山井は言う。「誰にも負けない気持ちを持っている。世の40歳の皆さん、まだまだこれからいい日が来ると思います。頑張っていきましょう!」。ベテラン健在の中日が3位DeNAに1ゲーム差に迫った。【田口真一郎】

 ▼40歳0カ月の山井が今季初登板で完封勝ち。山井の完封は14年8月16日ヤクルト戦以来4年ぶり5度目。40代投手の完封勝ちは、16年4月2日黒田(広島)以来9人目で、中日では4度記録した山本昌に次いで2人目。また敵地で完封した40代投手は、97年4月30日にナゴヤドームの中日戦で記録した大野(広島)以来21年ぶり。