「ハマの主砲」DeNAの4番筒香嘉智外野手(26)が、26歳5カ月の球団史上最年少で通算150号に到達した。2点を追う3回にロペスの2ランで追い付いた直後、2者連続の決勝12号ソロで勝利に導いた。入団時の2軍監督で恩師の田代富雄(63=現巨人2軍打撃コーチ)の27歳1カ月を抜き、元光GENJIの歌手、諸星和己(47)が始球式&ライブを行った「BLUE☆LIGHT SERIES 2018」開催日に輝きを放った。

 「僕は歌手を引退します」。元光GENJIの諸星が始球式後にマウンドにマイクを置いて笑いを誘った横浜スタジアムで、コミカルな雰囲気とは無縁の千両役者がどでかいメモリアルアーチをたたき込んだ。

 3回1死、4番筒香が初球、内角への134キロスライダーにクルリと体を回転させる。特大の打球は、右翼席上段の鎌倉名物「鳩サブレー」看板付近に着弾。トラックマンデータで飛距離118メートル、最高到達点45メートルという豪快なアーチで、球団史上最年少となる通算150号に到達した。

 「通過点という言い方はしっくりこないですけど、これからも勝ちに貢献する一打。そっちの方が記録より大事。今日でいえば、150号よりチームが接戦をものにした方がうれしい」

 プロ入り9年目で到達した節目は、田代富雄を抜いて球団史上最年少記録になった。プロ1年目の2軍監督で恩師。2軍暮らしだった頃、夜間練習もいつも最後まで見守ってくれた。

 「入った時から毎日いろいろな話をしていただいた。自分の感情で怒ったことはない。僕が試合への準備を怠った時は強く言われましたが次の日はけろっとしている。ものすごく愛情があって、最後まで見捨てない素晴らしい人柄でした」

 そんな恩師を超える一打が、勝利に直結したことが何よりもうれしい。

 「これで恩返しと言ったら田代さんも怒ると思うので、もっと打てるように頑張ります」

 3戦5発だった前カードの巨人戦からオープンスタンスに変え、これで5戦6発。21日の休日も個人でトレーニングを積み、感覚を研ぎ澄ませた。試合後は球場中にブルーのライトが光る中、諸星が光GENJI時代のヒットナンバー「パラダイス銀河」「STAR LIGHT」を熱唱。国民的アイドルがデビューした87年、まだこの世に存在していなかった91年生まれの筒香は「ホーム球場で打てたことがうれしい」と、元スターにも負けない輝きでファンを喜ばせた。【前田祐輔】