東大の1年生、井上慶秀一塁手(長野)が、立大の同じ1年生、川端健斗投手(秀岳館)の無安打記録を阻止した。

 東大打線が無安打のまま迎えた6回2死で代打に指名されると、3球目を強引に引っ張った。打球は三遊間深くで遊撃手に止められたが、井上が105キロの巨体を揺すって一塁に駆け込み、チーム初安打とした。井上は「甘く来たストレートです。いいところに飛んでくれました」。

 同じ1年生といっても、井上は現在21歳。現役時代から東大野球部を希望していたが夢かなわず、2浪を経て昨年、一橋大に合格し、準硬式野球部に所属していた。それでも「どうしても東大で野球をやりたい」と再び東大受験に挑み、見事合格。1年春からベンチ入りを果たした。

 前日の1回戦が神宮デビューで、代打で登場し左飛に倒れていた。2打席目のこの日、無安打阻止の貴重な安打が自らの神宮初安打になった。「あと10キロ落としたい。絞って、秋頑張ります」。大型ルーキーが飛躍を誓った。