阪神が、新外国人候補としてエフレン・ナバーロ内野手(32=カブス傘下3Aアイオワ)に一本化していることが9日、分かった。今季は不動の4番として、ウィリン・ロサリオ内野手(29)に期待したが日本流の配球に戸惑い、2軍調整中。ナバーロはメジャーで通算3本塁打にとどまるが今季もメジャーに昇格。3Aでは48試合に出場し、打率3割1分、4本塁打の好成績を収める。バットを高く掲げ、一気に振り下ろす豪快なスタイルの左打者。一塁だけでなく、左翼や右翼も守るため、ロサリオが復調した場合、併用も可能になる。幅広く用兵できることから、白羽の矢が立った。13、17年はWBCメキシコ代表として出場し、国際経験も重ねる。

 阪神は2位に位置づけるが、開幕から打線の状態が一向に上向かない。生命線に位置づけるロサリオが変化球を多投する日本流の配球に苦戦し、3日から2軍で再調整中だ。チームは国産打線を組んで臨むが、破壊力不足は否めず、チーム打率2割3分2厘は長らくリーグ最下位。169得点は12球団最少で、攻撃の窮状ぶりは深刻だった。

 ロサリオは12日から始まるウエスタン・リーグ広島戦(由宇)で実戦復帰し、復調のキッカケを探る。昨季まで韓国球界で2年連続3割30本塁打100打点を記録し、鳴り物入りで新加入。2月の沖縄・宜野座キャンプでも実力の片りんを見せていた。それだけに、球団幹部は「キッカケをつかむのを我慢して待つのも大事です」と話すなど、上がり目を待つ姿勢だが、2軍戦でも結果が出ない場合に備えて、これまで水面下で外国人野手補強のリストアップ作業を進めてきた。

 今後はナバーロとの交渉を重ねる。獲得に成功すれば、チームにとって新たな起爆剤になりそうだ。