中日藤嶋健人投手(20)がスクランブル先発で好投し、チームの緊急事態を救った。

 今年1軍デビューした高卒2年目右腕は、これがプロ初先発だったが、逆境をものともせず6回2失点。ヒーローインタビューで「素直にうれしいです。試合が始まる15分前にいくことになったんですが、意外に落ち着いて入れたのでよかった。1球1球必死になっていたのであまり覚えていません」と笑顔で話した。

 松坂大輔投手が背中のけいれんで試合直前に先発を回避。あわててウオーミングアップを始め、ブルペンで肩を作った。初回先頭から連打を浴びたが強力クリーンアップを3者連続三振に仕留めた。4回に森に2ランを浴びたが失点はそれだけ。大量の援護点もあり、危なげなく勝ち投手の権利を得た。

 森繁和監督は「松坂がアクシデントで投げられる状態じゃなくなり、ファンには申し訳なかった。代わった藤嶋がよく投げてくれた」とほめた。

 東邦(愛知)で1年夏から甲子園デビュー。3年春夏はエースで4番として甲子園に出場した。16年ドラフト5位で中日入り。昨年は1軍経験がなかったが、今年はロングリリーフを中心に活躍。前回登板まで10試合、22回3分の1を投げて防御率1・61の成績で信頼を勝ち取っていた。