ソフトバンク工藤公康監督(55)が20日、武田を期間限定で先発から中継ぎへ配置転換することを明かした。

 「ロングリリーフで考えている。球宴までは中(継ぎ)に入ってもらうかもしれない。中継ぎも楽になる」。球宴までの14試合は日程の都合で先発を5人でまわせる。武田は不安定な投球が続いていたが、前日19日のヤクルト戦で5回1安打無失点と好投。首脳陣は「第2先発」に配置し、疲れが見えるリリーフ陣の負担軽減に貢献してもらう考えだ。

 この日、武田はヤフオクドームで調整した。前夜に打球が直撃した左前腕部は紫色に内出血していた。まだボールの縫い目も残っている。「スタンプ押したみたいでしょ。まだジンジンします。もう少しズレていたら、手首が折れていた。昨日の投球はメリハリがついていた。この投球の感覚を続けられるように」。痛みは残るが、投球に問題はない模様だ。その上で復調への手応えを隠さなかった。

 武田はプロ7年間で111試合すべてに先発で登板している。日本代表でも「プレミア12」や「WBC」に出場しているが、強化試合をのぞき、中継ぎの経験はない。今月7、8日には中継ぎ待機したが、登板はなかった。工藤監督は「短いイニングでより力を発揮することもできる。中継ぎが楽になる」と話す。両リーグ最多33試合登板の加治屋や森、モイネロら登板過多のリリーフ陣を休ませ、武田で逃げ切るパターンも可能となる。交流戦で貯金を4つに増やした。武田をジョーカー役にして、球宴までに一気に首位を狙う。【石橋隆雄】