22日のオリックス-ソフトバンク10回戦(ほっともっと神戸)で、ファウルと判定された打球がリプレー検証で本塁打とされ、試合後の再検証で審判団が実際にはファウルだったと“誤審”を認めた件を巡り、23日、オリックスがNPBに“試合続行”の要望を出した。

 この日、ほっともっと神戸にNPBの仲野パ・リーグ統括と友寄審判長が訪れ、オリックス側に謝罪した。その後、会見した仲野統括は「(オリックスには)判定に対して謝罪しました」と説明。友寄審判長は「リプレー検証で(映像の)コマ送りで(打球が右翼ポールの向こうに)消えていた確証があったので判定を変えた。(試合後の再確認で)コマ送りで止める個所を間違っていた」と話した。今後の対応については「慎重に映像を見ていくしかない」とした。会見の最後には仲野統括、友寄審判長が「オリックスファンや多くの野球ファンにご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。

 オリックス側は今後についても含め3、4点の要望を出した。長村球団本部長はそのうち2点を明かした。「ひとつは試合の続行。審判員も(誤審と)認めている。ルール上は無理だが、完全に間違っているなら特例を認めてほしい」と話した。もう1点は「リクエスト制度の運用をしっかりしてほしい」というもの。「ファウルの判定が覆るのはよほど確証がないといけない。(リプレー検証に)5分間という制限はあるが、そういうときは5分と言わずしっかり見てくれと強く要望しました」と話した。仲野統括は会見で試合のやり直しなどの可能性について問われ「野球規則に則れば再試合は認められない」としている。

 同試合は、3-3の延長10回2死一塁、ソフトバンク中村晃の放った右翼ポール際の打球の判定がリプレー検証でファウルから本塁打に変わった。これが決勝点になり、オリックスは3位タイで並んでいたソフトバンクに敗れ4位に転落した。福良監督は、試合終了直後からベンチ裏通路で審判団に詰め寄り激しく意見した。審判団はビデオを見て確認したことを強調し、福良監督はいったん引き揚げた。

 その後、球場の審判員室で、審判団に長村本部長や福良監督らも加わる異例の状況で約20分間、リプレー検証の確認作業を行った。その結果「当初はポールに(打球が)隠れたように見えたので本塁打としたが、後で見たところ、ポールの前に白いものが見えた」と、佐々木責任審判はミスジャッジだったことを認めていた。