イケメンに負けない! ロッテ井上晴哉内野手(28)が雨中のフルスイングで試合を決めた。3点を追う3回2死満塁。西武今井の151キロを右翼席にたたき込んだ。全8球が直球の力勝負を制し、プロ初のグランドスラム。5回降雨コールドゲームの決勝弾に「(直球を)狙ったというより反応して打てた。単打でも走者をかえさないといけない場面。勝ちにつながる仕事をしたかった」とうなずいた。

 この日はスーパーレディースデーとして開催。女性来場者にはイケメン投票でトップの平沢ら、上位5選手の写真特集を掲載した特別冊子が配布された。井上は無念の34位。冊子に名前は登場せず、載ったのは同3位の吉田と鍋を食べるシーンを含めた小さな写真2枚だけ。「今日はイケメンの日だから、イケメンに負けないように。雑草魂というか…。(満塁で)打ったら格好いいんだろうなって思ってました」。対抗心? で放った1発にスタンドは黄色い歓声に包まれた。

 格好良すぎる一振りは反省と覚悟の表れでもあった。今月13日にへんとう炎で登録抹消。4日間寝込み、点滴も打った。「自己管理がなってなくてチームに迷惑をかけてしまった」と自戒した。1軍復帰即スタメンでの活躍にも、満足感はみじんもない。チームに再び貯金1をもたらした、この試合最も輝いた“イケメン”は「これで休んだ期間を取り戻したつもりもない。今から勝ちにつなげる打点を挙げることが大事」と力強く誓った。【佐竹実】